治療を教えるにあたって悩む。

なびぞうの仕事は教育と治療です。それも実技教育。○○テスト何点以上!とか○○試験合格!とかが目標じゃないの。良い治療家を育てるっていうのが目的であり目標なんだけどね。

 

治療ってゴールデンルールっていうか、確立された治療目標とかないのね。そして確立された治療方法も正直言うとあんまりない。ほんとはあるけど、学校教育でそれをやるのはちょっと無理。1人の人間が30人をいっぺんに相手して教えられることは限られています。

 

技術の伝授を目標にする学校っていくつかありますが、全員がその職業につくわけではないし。美大も音大もあんなに高い倍率と学費なのに卒業して芸術や音楽で食べている人はどれくらいいるのかな?

で、PTやOTの学校と比較したいところなんだけど、PTやOTは資格とってから仕事するのにお医者さんの指示に従って働くので私たちとはちょっと違います。開業権があって、ある程度の鑑別ができて、自己判断で治療をするのが私たちだからね。

 

というわけで、目標が無いものをどうやって教育するかってところでまずつまずきます。つまずくときは手をつくと手を怪我する可能性があるので顔から着地します。治療家なので手を守ります。というわけでなびぞうの鼻の下にある傷は階段転んで顔から着地したときの傷跡です。顔面部の打撲ってすごく腫れます。すごかったです。どうでもいいことですね。

 

目標のないものをどうやって教育するのか?目標が設定できなくてもお弟子さんや学生さんがいるので目標みたいなものを無理やり作るわけです。なびぞうが目標としたものは『自分が10年かかってできるようになったものをなるべく効率良く、コンパクトに、わかりやすく教え、学習者はあわよくば1年でそれを修得する。』です。自分がいままでやってきたことを分解してレシピ化しました。

 

しかし、これには大きな欠点があって、教わる人って当たり前だけど私じゃないのですよ。私じゃない人に私がやってきた方法を伝えても本質的には意味がないのかも知れないと思ったりしたところで袋小路につきあたりました。でも、それ以外の方法が思いつかず、しばらくはそのやり方で教えていました。

つづく。