ラッコライフ

どう考えても前世がラッコだったことがある。

これはもうなんと言うか 

自分の中では事実として存在している。

 

冷たい海にプカプカ浮きながら

『あ~、アワビうめ~o(^o^)o』とか、  

『や~、牡蠣って殻割るの面倒だけどやっぱクリーミーで最高!!』とか、

もうね、リアルなのよ。

 

目が覚めて、貝食べて、プカプカして寝る。

それの繰り返し。

 

夜は昆布をお腹に巻いて寝ます。

ちょっと幅広のつるっとした昆布を

お腹に巻くと軽い拘束感があって

なんだか安心するのです。

 

ほら、ハグされると安心するでしょ。

あんな感じ。

 

昆布巻くから胴体は安定してるけど

手足(あ、ラッコだから前足と後ろ足か!)は

縛られてないのでほど良く自由な感じ。

 

めっちゃモフモフの毛皮があるから 

冷たい海でも意外に快適です。

 

腋の下にあるポケットには

お気に入りの石が入っています。

石は貴重品です。

 

 

 

が、そんな幸せなラッコライフが

ある日突然終わる。

 

 

もともとかなりそそっかしいので、

大切な石をよく海底に落としたり

ぼーっとしているうちに

離岸流に流されたりはしてたんだけど。

 

 

その日のミスは致命的でした。

 

 

夜寝る前に巻く昆布の巻きが甘く、 

寝ているうちにほどけてしまったのだ。

そして目が覚めたらたら沖に流されてて

もう戻れないし

沿岸部じゃないから貝もとれなくて

寂しくてお腹すいて寒くてもうどうしょうもない。

 

ラッコは基礎代謝がやたら高いので、

餓死するまでにそんなに時間がかからなかったのがせめてもの救いか(-_- )。

 

寒さと空腹感で薄れる意識。

 

 

『牡蠣おいしかったな~(:_;)。』

が、最期の記憶です。

 

 

 

私が現世で腹巻きが苦手なのとか、

(女性鍼灸師は腹巻き好きな人が多い)

昆布や貝類に異常な執着を示すところとか、

大きいお風呂に入ると

つい仰向けで浮かんでしまうところは

前世の影響だと思うんだよね。

 

 

 

今の人生では居眠りして

電車乗り過ごしてしまっても命には関わらないし、

落とし物しても警察に届けると

案外戻ってくるので大変ありがたいです。